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自律神経失調症という診断名を聞かれたことがある人は多いでしょう。
自律神経は全身の内臓に分布し、人の意思とは無関係に昼夜問わずそれぞれの臓器の動きや状態を調節しています。健康な人は普段息をしていること、また心臓が鼓動していることを意識しません。でも意識していなくても寝ている間にも肺は常にガス交換をし、心臓は休まず血液を送り出します。その他にも食べた物はその後テレビを見ている間に胃腸が動いて消化吸収しますし、暑くなれば汗腺からひとりでに発汗してきます。
その自律神経の働きが乱れる状態が自律神経失調症と呼ばれるわけですが、具体的な症状は前記の心臓・肺・胃腸・汗腺に関するものであれば、動悸・呼吸苦・下痢嘔吐・異常発汗となります。
自律神経失調症の原因のひとつに精神的ストレスがあります。
なぜ意識と無関係に体の調節をしている神経が精神の負荷による影響を受けるのでしょうか。
自律神経は背骨の中を通る太い神経の束=脊髄から各内臓に伸びています。
脊髄を更にさかのぼると脳へと繋がっています。
脳で受ける負荷である精神的ストレスが自律神経を介して伝わる結果、日頃は落ち着いている内臓の動きや働きが乱れて症状として意識されるわけです。
ただし、動悸・呼吸苦・下痢嘔吐などを症状とする病気は数多くあり、その症状があるからといって、最初から自律神経失調症…とは診断されません。
循環器・呼吸器・消化器の各身体科で必要なすべての検査をしても内臓そのものに病気が無いのに症状だけが続くときに、ようやく診断されるのが自律神経失調症ですので、ご注意ください。