各線・天王寺駅すぐ あべのハルカス22F
日常のいろいろな会話や対人関係の場面で「場の空気」を読まない、あるいは意図することが伝わらず、コミュニケーション上でぎくしゃくする人がいます。
例えば…
・「適当に座ってください。最近調子はどう?」と言われて「“適当”という状態には座れません。
調子って何の?自分は健康ですが」と返事するなど、あいまいな会話ができない。
・葬儀で元気づけようとして、悪気なく「元気を出して頑張りましょう!」と明るい話題を振りまいて周囲から煙たがられる。
・女性に対して「最近太られましたね、ダイエットしたらどうですか?」と真実かもしれないが言わない方が良い会話をして、相手が不機嫌になっても気づかない。
・仕事で状況を見て臨機応変に動くことが難しく、指示されたこと以外は一切何もしない…などです。
周囲との軋轢が強く学校や職場等の活動で支障が大きい場合に、状態によっては「発達障害」と診断されることがあります。
発達障害は認知や行動の特徴的な傾向から社会性やコミュニケーションが妨げられる結果、社会生活で種々の支障が生じる状態であり、脳の機能の発達のアンバランスさが関わる可能性が推測されます。
ただ「脳の機能の発達」とは言っても、脳のどの部分のどのような機能に異常があるのかの詳細は具体的には解明されていません。
発達障害はいくつかの障害を含めた総称的な診断であり、そこには前回まで述べてきたADHDも含まれています。ADHD以外の代表的な診断の種類としては広汎性発達障害(Pervasive Developmental Disorders;PDD)があります。
PDDにおいては「社会性」「コミュニケーション」「こだわり」などに関して独特な様式が現れるのが特徴です。
みなともクリニック 院長 南智久