各線・天王寺駅すぐ あべのハルカス22F
2020年11月号
個人結果の通知については、封書や電子メールなどによって実施者から本人に直接通知されます。
結果には、ストレスの特徴・傾向を数値や図表で示したストレスプロフィール、ストレスの程度(高ストレスに該当するか否かの評価)、医師による面接指導の対象かどうかの判定などが含まれます。
さらにセルフケアの助言や、面接指導の申出の窓口と手続き方法などが併せて記載される場合もあります。
実施者は労働者の精神状態という機微な個人情報を取り扱うことになるため、特に受検者の不利益につながる恐れを無くす観点から、人事権がある職員は実施者を務められないこととなっています。ただし、例えば封筒に封入された状態の記入済み調査票の回収など内容把握ができない作業であれば、人事権者でも行えるとされています。
ストレスチェックの個人結果を知り得る立場の職員にはプライバシーの守秘義務があり、違反すれば罰則もあることを周知徹底する必要があります。また、チェックを扱う過程においては情報漏えいを防ぐ対策が求められます。
たとえば専用パソコン等の機器が用意できない環境では、記入済み質問票の結果等が実施者以外の目に触れないよう回収用にシール付きの封筒を用意したり、集計作業を独立した個室で行う…等の配慮が必要です。
結果を会社内の施錠された収納やサーバー内に保管する場合には、その鍵やパスワードは実施者と受検者以外に閲覧されないよう厳重に管理されねばなりません。
チェック結果を職場が把握しないという形式をより厳格に示すためには、調査実務の一切を外部業者に委託するのも方法となります。
なお、職場が個人結果を把握しておきたい場合には、各人への結果通知後に受検者全員から個別に同意を得る必要があります。ストレスチェック実施前や実施時に同意を取得することはできず、また受検者全員まとめての同意を取得することは禁止されています。ただし、面接指導の対象者が面接を受ける申し出を行った場合は、個人結果の職場への提供に同意されたとみなされます。
理解の不足や偏見が生じないように、メンタルヘルス情報の取扱いには特段の注意が必要とされます。
みなともクリニック 院長 南智久