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2021年10月号
3月号コラム(3)の「産業保健スタッフ等によるケア」とは、産業医・保健師・衛生管理者など、会社の中で産業衛生分野を担当する専門職によるサポートです。前述の「セルフケア」および「職場ラインによるケア」を支援します。
個人のサポート以外にも、メンタルヘルス関連の教育研修企画立案や個人の健康情報の取り扱い、事業外資源との連携、職場復帰への相談を受ける体制整備なども担当することになります。
産業医は教育研修の企画実施、助言指導を行います。また職場外資源との連絡調整やストレスチェックの面接指導など、メンタルヘルス活動全般において中心となります。
事業主に対し勧告権を持ち、就業上必要な配慮などについて積極的に意見を述べることが求められます。
衛生管理者は常時50人以上の従業員を使用している職場では選任する必要があるものです。
免許試験に合格した者など一定の資格を有する者から選任されます。産業医の助言指導を踏まえて、教育研修の企画実施・職場環境改善・メンタル健康相談の体制づくり等を行います。
保健師は産業医・衛生管理者と協同してセルフケア・ラインケアを支援し、相談対応・保健指導等に当たります。
3月号コラム(4)の「事業所外によるケア」は、職場と主に医療機関の連携によるもので、受診相談などメンタルヘルスの専門知識を有する外部機関の利用が中心となります。
労働者が職場内での相談を望まないような場合に活用できます。ただし、これに依存して職場がメンタルヘルスケア推進の主体を失わないように留意したいです。そのためには職場内の産業保健スタッフ等が窓口になり、事業場外資源から必要な情報提供・助言を受けるなど円滑な連携を図るよう努めるとともに、労働者を速やかに紹介するための事業場外医療機関・地域保健機関に紹介するためのネットワークを日頃から形成しておく必要があります。
みなともクリニック 院長 南智久